壊れたプリンター
年末になるとメルカリに壊れたプリンターがよく出品される。年賀状を印刷しようとして久しぶりに動かしてみたら、ありゃなんか壊れてるぅ~、という感じだ。
物は試しとジャンク品(壊れてるか壊れてないかもわからないモノ)のプリンターを2千円で購入してみた。が、案の定、届いて使おうとしてもエラーが出ていて動かない。分解してみると、中でインクがボトボトになっていて部品が割れているところとかもある、どうしようもないゴミちゃんだった。
コレをよく「動くか動かないかわかりましぇーん。」と言って売ろうと思ったなぁと感心しながら、細かく分解してゴミに出した。
先日ツイッタランドを見ていると、ネッ友の某氏がパートナーと終わりましたと報告していた。なんでも、彼がツイッターのエロアカウントをいいね!していて、それがキモくて許せなかったそうだ。
男の立場からすると、彼に同情の余地しかないのだがワタクシにできることはただ一つ、自分のいいねしたやつをひっそりと消して何事もなかったかのようにしておくことだけだった。
お互いに意見の違う者同士なんだから、くっついたり離れたり色々あるわさ。壊れた関係が修理して強くなることもあれば、ぶっ壊われてまた新しく始まることもあるだろう。
さてはて完全な故障品だったワタクシと結婚してくれた嫁との関係は、大した変化もなく特に仲が悪いワケではない。強いて言えばケンカが少なくなったような気はする。
昔は関係の修復を試みて試行錯誤を繰り返したが、ご存じの通りことごとく失敗に終わり、最近では修理をしようとする気持ちすら失ってしまった。
愛の対義語は無関心だと誰かは言っていた。確かに無関心になってくるとケンカをする気にすらならない。それはそれで楽なんだけど、まだケンカをしている時の方が楽しかったような、そんな気がする。
1台目のプリンターをゴミに出したその日にまたメルカリで1500円のジャンク品を購入した。
「コピーしようとすると変な音が鳴りみゃす!」との説明の通り、コピー部分が壊れてエラーを吐いている。ユーチューブで謎のタイ人の修理屋さん動画を参考に修理を試みたが、ヴーヴーガガッ!ヴーと酷い音がなってコピーはできないままだった。
そもそもプリンターは、ある程度使うと壊れていなくてもエラーを吐いて機械を動かなくさせる機能がある。結局のところ、修理するよりも新品を買わせる作戦なんだろう。
プリンターのように気軽に買い替えができれば人間関係も楽な気はするが、誰もが知っての通り、そうは問屋が卸さない。修理の難易度も高く、3人に1人は離婚するように修理を諦める人も多いようだ。
尊敬するD・カーネギー先生の名著「人を動かす」にもこのように記されている。
「人の心を変える努力は無駄に終わる。」
最近あまり読んでなくて何ページか忘れたより引用
先生の教えは、人を動かしたければ自分が変われというのが大前提である。毎日のように先生の教えを実践しながら、実際のところ、一番変わったのはワタクシなのかなと思う。
ウツをやって以来、人との関わりを避けてひっそりと生きていたが、最近は恐れずに自分から人と関わるようになった。しんどくて給料が安いだけの仕事でも、自分の考え方を変えて腐らずに楽しんで働くようになった。
そんな中でいい出会いにも恵まれたし、新しい仕事にも挑戦して収入も増えた。国家試験を受験して資格も取った。将来のために具体的に動き出すこともできた。
嫁との関係に悶えてウジウジしていた数年前からは想像できないくらい、自分が変わったように思う。
人を動かすと言いつつ離婚しているカーネギー先生も、実はこれを一番狙っていたのではなかろうか。
人の心を変えることは確かにできないし、簡単に人間関係を修理することもできない。ただ、諦めてしまったらそこで試合終了ですよと安西先生の教えに習って、諦めずに自分を変えるのが一番の近道のような気がする。
ゴミちゃんだと諦めていたプリンターは1台目の分解の経験を生かして、色々いじっていたらなんとか怪しいながらも使えるマシンになった。
そのプリンターで年賀状を印刷してお世話になった人に年賀状をしたためながら、ちゃんと動いたプリンターに少し愛着が湧いたアンニョイな大晦日。
セロリが好きだとか嫌いだとか、つまんない理由で人間関係の故障があってもサッと修理して、その度に愛着をたくさんを生み出すくらいでなきゃと決意した。
令和5年元旦 あけおめ マスヲ