雲外蒼天
新年おめでとうございます。
普段はあまり飲まない酒を、気が緩んで馬鹿みたいに飲んでいたら、正月からお腹を壊して上から下から発射しておりました。
北の方から幸いにして祝砲は飛んで来なかったようでよかったです。
さて、昨年は家族が増えて父としてフンドシを締め直すと決意したにも関わらず、依然、経済的なピンチが我が家を襲っております。
乾坤一擲の大事業として、絵本「ピーマン」を世に送り出しましたが、皆さまの応援に応えることができず無念でなりません。
やるだけやったのならそれでよかったじゃないかと、自分を納得させることもできますが、ワタクシは案外、あきらめの悪い方です。
アンニョイな元日。いつものように朝日に手を合わせて、静かに家族の健康と幸せを願っていると、空に一機のセスナ機が飛んでいきました。
初日の出フライトでも楽しんできたのでしょうか。心なしか翼を上下に揺らしてバンクを振って挨拶をしてくれている気がしました。
今から70年ほど前、茨城県の土浦でも空を見上げると飛行機が飛んでいました。海軍の飛行場があり、そこでパイロットの訓練をしていたのです。
多くの訓練生が必死に練習をしていたのですが、戦中の物資不足で練習用の飛行機がたくさんあったワケではありませんでした。
そのため、飛行機に乗る順番が来るまでの間、訓練生は飛行場の脇に張ってあったテントの支柱にしがみついて耐えるという謎の訓練が行われていました。
要するに、登り棒に掴まって落ちないように踏ん張るだけの話です。が、5分もしない内にガマンできずにズルズルと訓練生は下に落ちて来ます。
すると、下で鬼のような教官が棒を持って待っていて、落ちて来た訓練生の尻を思いっきりぶん殴ります。あまりの激痛に訓練生はまた棒によじ登るのですが、5分としない内に落ちて来て、教官に棒でシバかれるのです。
今やれば、ただのイジメかパワハラで問題になりそうな理不尽な話ですが、それで終わらせては意味がない。
落ちて来て尻を殴られ、また上に登れる力があるのなら、もう少し落ちずにガマンできたハズ。最後の最後に力を出そうと思えばまだ出せることを教えてくれていたのかも知れません。
実際、実戦を生き残り教官になったようなエースパイロットがこの訓練をやると、10分経ってもまったく落ちて来ない。
しまいには上でタバコを吹かし始め、その姿を見た訓練生がこぞって棒に掴まりセミのようになって耐えていたのだとか。
そうやって、海軍伝統の「踏ん張りの精神」が養われていたそうな。
現代に戻って我が家では、棒に掴まったまま尻は地面についているのに、鬼のようなBBA(姑)に尻を殴られ続けているワタクシがいます。
もう涙以外にも色んなものが出てしまい、踏ん張りの精神どころではありません。ただ、ここ数年、棒に掴まり続けただけあってか、何か新しい感覚が芽生えてきました。
それは家族を守るために戦地に飛び立つ兵士のような、そんな美しいものでもなく、ただ逃げ出したいという脱走兵の気分でもなく。
古くから龍は沼に身を隠して、天に昇る時をじっと待つと言います。沼の淵で足を滑らせて誰かの助けをじっと棒に掴まって待っているようなワタクシですが、そろそろ助けが来そうな気がします。
そんなワケで今年の目標。
・絵本を9冊以上制作し、世に問う。
・単著を出版する。
・禁煙。
・おっぱい揉みたい。
以上。
尻の痛みに耐えながら、踏ん張りの精神でやり切る覚悟です。来年の今頃、清々しいキモチで蒼天を見上げていれば、ワタクシの勝ちです。
どうなるかなんて知ったこっちゃありません。結果がどうなろうと、雲の外には飛行機から見るような美しい青空が広がっていると信じます。
理不尽なことばかりの世の中にあっても、笑いながら踏ん張ってみせますよ。頑張ろう。
平成30年 元日のトイレにて、マスヲ
今週のお題「2018年の抱負」