早く重力から解放されたい件
一般相対性理論では、強い重力場では時空が歪められ時間が遅く進むことが証明されている。例えば重力の強いブラックホールの近くでは、地球よりもゆっくりと時間が進んでいくことになる。
しかし、地球にいながらにして時間を早くも遅くも感じることができる。例えば、恋に夢中のカップルがチュッチュしている時間は永遠のように感じるが、結婚して子供ができるとその成長は一瞬のように感じる。
つまり、時間の感じ方はその人次第というワケだ。
アンニョイな朝。起きて顔を洗おうと洗面所に向かうと、強い時空の歪みを感じる。キケンを察知して顔を洗うの取りやめ、２階に移動する。
しばらくまどろんでいると１階からギィギィと階段をのぼる物音を察知、すばやく身を潜めてやり過ごし１階に避難。やっとのことで洗面所で顔を洗う。姑氏と顔を合わせないようにするのも慣れたもんである。
嫁の実家にやってきてそろそろ２年になろうとしているが、どうも姑氏の放つ重力に身体が悲鳴をあげているような気がする。
先日、洗練された主夫でもあるワタクシは、夕食にブリ大根を作った。ちゃんと生臭さを消すためにブリを霜降りしたり、大根の煮汁を変えたりして料理したものである。
ワタクシが食事をさっさと済ませくつろいでいると、亜空間から「大根の味が濃い」という電波を受信する。気のせいかと思って無視していると、嫁がわざわざ姑氏からの伝言を伝えにやってくる。
黙ってりゃいいものをなぜわざわざ人のやる気を削ぐようなことを言ってしまうのか。思い悩んだワタクシは尊敬するＤ・カーネギー先生の名著「人を動かす」を開くことにした。
相手の考え、行動には、それぞれ、相当の理由があるはずだ。その理由を探し出さねばならないーそうすれば、相手の行動、相手の性格に対する鍵まで握ることができる。
「人を動かす」229ページより引用
なるほど。姑氏に関しては、どうしても一言余計なことを言わなきゃイケナイ性格なので、聞こえないフリをするのが正解だと最近わかってきた。
ちなみに、料理の味付けから、政治、経済、宗教に野球の話まで幅広く文句をワタクシに伝えようとしてくるので、無視するのも一苦労なのだが。
最近は、森友問題に端を発する政治の話題について、安倍首相早く辞めろ！とひたすら持論を展開されている。ワタクシは、籠池さん夫妻の保釈を願っている以外は、特にコレといった意見を持っていないので苦痛でしかない。
が、聞き流しながら冷静に分析を続けた結果、姑氏はただ単に自分の年金額が少ないことを政治家の責任にしているだけだとわかった。となると、姑氏もそこら辺にいるジジババと同じだと気づき、怒りもそこまで湧いて来なくなるというワケだ。
家でやかましく文句を言われている旦那さんは、奥さんの文句の裏に隠された本当の理由を探ってみるといい。十中八九は、稼ぎが少ないことへの当てつけ、残りは夫婦の営みがないことへの不満だ。
嫁の実家での時間は、強い重力場の影響で毎日が長く重苦しいことになっている。が、そんな中でも、かろうじて精神の安定を保っていられるのも、Ｄ・カーネギー先生のおかげだと思う。
最近、それだけでは足らず瞑想を行って、浅くなってしまった呼吸を改善し、脳圧を一定に保つ肉体改造にも着手している。
瞑想でオーガニックな宇宙のパワーとつながり、重力から解放され嫁とチュッチュして永遠の時間を取り戻したい。おっぱい揉みたい。
