嫁に1パック99円のタマゴを2パック買ってこいと指示された件
アンニョイな午後。嫁に指示されるがまま近所のスーパーにタマゴを買いに行く。1パック99円で特売してるから、それを2パックとのこと。
主婦の方ならわかると思うが、この客寄せタマゴには厳密なルールが存在し、「お1人様1パックまで、千円以上お買い上げの場合に限る。」となっている。
そして、お駄賃として200円を渡され寒空の下、トボトボ歩いてスーパーにやって来た中年のオジサンがワタクシである。
さて、ここで問題点を整理する。
・お1人様1つしか買えないモノを2つ買う。
・千円以上買わなきゃいけない。
・200円しかもらってない。
これは無理筋ではないかと思われるが、洗練された主夫のワタクシは解決方法を知っている。
※ちなみに、千円以上というのはタマゴの99円を含めて千円なのか?含まずに千円なのか?はたまた税込み価格なのか?といった問題点もあるのだが、この点に関しては今回の論点から外れるため除外する。
また、子供を連れている場合、2パック買うことができるか?その場合、2千円以上買わなきゃいけないのか?お腹に子供がいる場合は1人としてカウントできるかという論点も同様とする。
まず、顔なじみの松下由樹を巨人化させたオバチャンのレジに行く。ワタクシをよく知ってるオバチャンは、何も言わずタマゴを2つとも99円にしてくれる。
だが、さすがに千円以上買ってないとムリで、ポケットマネーでタバコやお菓子を買ってギリギリ千円以上にするのがポイントである。
というワケで、必勝の作戦とタマゴを2パック他もろもろをカゴに入れてレジにやって来たワタクシ。ここで問題が発生する。
松下由樹がいない。
急きょ作戦を変更して、韓流アイドルみたいな金髪のあんちゃんのレジに突撃してみることにする。
しれっと会計を済まそうとしていると、このあんちゃん、年長者のワタクシに向かって、
「タマゴがお1つだけ156円になります!」
と無慈悲な通告をする。狼狽するワタクシ。とっさに変顔をしてみたが、あんちゃんは受け流している。
ここでこのピンチを脱出する方法を整理する。
・あんちゃんに「そういうことは金髪を染めてから言えや!」と逆上する。
・松下由樹なら買えたと事情を説明する。
・生活が苦しいと同情を誘う。
どれもこれも厳しいやり方だ。とてもアラフォーの中年がすることではない。そもそも、松下由樹なら99円で買えるというこのスーパーのシステムがワタクシのような不幸な中年を生んでいるのだ。
が、あわれみ深い松下由樹も、若いのにルールをちゃんと守ろうとする若者も、どちらも間違ってはいない。間違っているのは、自分の手を汚さずにタマゴをゲットしようとしている嫁である。
ワタクシは熟慮の末、1パックだけ156円になる調停案を受け入れ、家路に着いた。
家で事の顛末を嫁に話すと、「ほんじゃ要りません!ってタマゴ返してこいや!」と叱責される。おかしい。何かが間違っている。
悔しさで下唇を噛みしめながら、いつものようにD・カーネギー先生の名著「人を動かす」を開くことにした。
「成功に秘訣というものがあるとすれば、それは、他人の立場を理解し、自分の立場と同時に他人の立場からも物事を見ることのできる能力である」。
「人を動かす」57ページより引用
なるほど。ごく当たり前の話なのだが、誰もができていないと先生は指摘している。
無理筋だと思われた嫁から考えると、1円でも家計の出費を抑えるという立場からタマゴを2パックゲットしてこい!というのは、理解できる話である。
松下由樹も金髪のあんちゃんもそれぞれの立場から、最善と思われる行動を取ったまでで、悪いところはないだろう。
では、ワタクシの立場はどうだろう?もう少し家計に余裕があれば、ビクビクしながらレジに行く必要もなかったワケで。さらに1パックでガマンしておけば、特売のタマゴを他のお客さんが99円で買えたかもしれない。
結局のところ、このように考えることで誰に怒りを向けることもなく、心穏やかにブログを綴り、晴耕雨読のような平和な日々を過ごせるのである。
と、ここで終りかと思いきや、無理やり買って来た980円のが賞味期限切れ間近で200円で投げ売りされていた数の子の話をする。
この数の子、賞味期限が今日までなのだが塩抜きが必要で12時間から16時間水に浸けておく必要がある。18時頃買った時点で残り6時間しか賞味期限が残ってないのだが、これはすでに期限切れなのではな(文字数