嫁を動かす

HOW TO WIN WIFE AND INFLUENCE PEOPLE

PTA会長になりたいだけの人生だった件

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PTA会長になりたいだけの人生でした。

 

先日、娘氏が無事に幼稚園の年長さんに進級し、ラストチャンスに賭けて、PTA総会に出撃。

 

手元には、「なぜ嫁は巨大化するのか?」という持論をまとめた演説用の紙も用意して、準備は万全だと思われた。


アンニョイな平日の午後。幼稚園へと向かう。

 

思えば長い道のりであった。右も左もわからず参戦した1年目、PTA会長は緩い慣習で年長組のパパから選ばれ、それ以外の役員は専業主婦のママが務めるということを知る。

 

現状を打破しようと参戦した2年目、PTAの役員になるためには園長先生と親しくなり、推薦されなければならないことを知る。そもそも、立候補自体を受け付けていないことを知り愕然とする。


そして、PTA会長への就任条件が整った3年目。この1年、コミュ症を隠しながら園長先生に媚を売るだけの日々だった。吐きそうになりながらも、園長先生に笑顔で挨拶して天気の話をするというミッションを着実にこなしてきた。

 

嫁を通じて幼稚園のママ友に、ワタクシがPTA会長になってもいいよ!という流言を飛ばす工作もしておいた。予定では先月くらいに園長先生からPTA会長職への打診を受けるハズだった。

 

衝撃のニュースが飛び込んで来たのはそんな時だった。頑張って媚を売った園長先生が3月一杯で退職して、新しい園長先生がどこからともなくやって来るということだった。ワタクシの3年がかりのPTA会長就任の夢は大きく傾いたかに思われた。


しかし、まだ希望を捨てたワケではなかった。今までのPTA総会では、一応、園長の息のかかった立候補者が紹介され、信任の拍手を持って選挙を行わずに選出という流れだった。

 

最悪、その時に手を挙げて立候補してしまえば、規約上、選挙を行わなければならなくなるハズ。

 

そして、PTA会長に推薦されているパパは平日ということもあり、仕事で出席していないので、ワタクシが父兄の心に響く演説を打てば選挙で圧勝間違いナシ!というワケだ。


そして、運命の時はやってきた。「今年度、役員に選出された方はこの方達です。」と紹介があり、次に「拍手をもって信任ということで~」という流れになるその時。

 

慣れない初めての司会をしていた園長先生が、確信犯的に「拍手をもって~」のところをすっ飛ばして、そのまま次の新役員の挨拶に進んでしまった。

 

一人でズッコケながら、手を挙げるタイミングを失ったワタクシは、園児サイズの小さなイスに座りながら恥辱に耐えていた。


次々に役員に選出されたママ達が挨拶していく中、ちゃぶ台をひっくり返して手を挙げ立候補する勇気はワタクシにはなかった。

 

そんなことをすれば娘氏がいじめに遭う可能性もある。父として無言を貫いたワタクシは自分で自分を褒めてあげたいと思った。

 

PTA会長には娘氏と同じクラスの子のパパが総会に出席もせず就任していた。ワタクシは3年間、ほぼすべての幼稚園行事に出席したが一度も見たことはない。

 

嫁の諜報活動によると、誰かのパパが会長就任を打診されたが断り、2人目に打診されたのが今回のパパとのこと。


新しい園長先生は人を見る目がないと思われる。一体、どういう基準でPTA会長を選んでいるのか?なれ合いと事なかれ主義で無難に園を運営することで、子供に良い教育を受けさせることができると思っているのだろうか!

 

思い悩んだワタクシは、尊敬するD・カーネギー先生の名著「人を動かす」を開くことにした。

 

どんな人でも自分より何らかの点ですぐれており、学ぶべきところをそなえている<中略>。

 

ところがあわれなのは、なんら人に誇るべき美点をそなえず、そのことからくる劣等感を、鼻もちのならぬうぬぼれや自己宣伝でまぎらそうとする人たちである。

 

「人を動かす」144ページより引用

なるほど。まったく新しい園長先生はあわれだと頷きながら本を読んでいると、本当にあわれなのは自分だということに気が付いた。

 

もし、ワタクシが園長先生なら平日の昼間にフラフラしている破れたジーパンを履いた人間をPTA会長にしない。というか、園のためには必ず排除しなければならない。

 

園のありもしない話をブログなんかに書かれてネタにされた日にはたまったもんじゃない!まさしくワタクシがしようとしていたことは、優秀な園長先生によって阻止されていたのだ。

 

そんなこんなで、PTA会長就任への野望は来年以降の娘氏の小学校編、さらには息子氏が幼稚園デビューする3年後へ続くのであった。