嫁を動かす

HOW TO WIN WIFE AND INFLUENCE PEOPLE

お宮参りに70過ぎた姑がひざ上のスカートで来た件

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アンニョイな大安吉日。我が家の長男として先日誕生した、末は博士か大臣か?神童現る⁉とウワサの息子氏のお宮参りの日である。

 

ホントはとっくに1か月を過ぎているのだけど、クソ暑い夏場にお宮参りしたら、年老いた姑が倒れるかもという配慮で若干時期を後ろに倒したのだ。

 

そんなワケで、家族全員朝からドタバタであった。


まず、嫁はお宮参りに合わせてカット、パーマ、カラー、トリートメントのフルコースが必要との由。反対しても何か良いことが起こるワケもなく、約2万円の出費を笑顔で了解した。女は金がかかるのだ。

 

続いて娘氏、お出かけ用の服を新調すると嫁が譲らず、純白のワンピースを購入。値段は怖いので聞かなかった。いや、聞けなかったのか。

 

さらに姑氏、主役でもないのに、なぜか一番張り切っている。とりあえず、無視。ワタクシは唯一お腹が入るいつものスーツを着て、お約束で運転手となる。


さて、家の前に車を停めて30分以上待っていると、やっとこ女達が家から出てきた。最後に出てきた姑氏はお気に入りの真っ赤なジャケットにひざ上の黒いスカート...

 
エエッー!

一瞬、二度見した。70過ぎたBBAがそんなに脚出してどうすんの?

 

詳しく描写すると、ひざ上のスカートにひざ下までのレースのスカートを重ねて着るようなやつだ。レースは温泉街でやってくるシースルーコンパニオン以上にスケスケで、脚が丸見えになっている。


若干、ウプッとなったのでもうBBAを見ないように、目を背けることにした。もはや、誰も姑氏を止めることなどできない。

 

眉間にシワを寄せながら、車を走らせたワタクシは脳内で尊敬するD・カーネギー先生の名著「人を動かす」を開き、救いを求めることにした。

 

「物ごとには、本来、善悪はない。ただわれわれの考え方いかんで善と悪が分かれる」

 

「人を動かす」98ページより引用

まだ、足りない。脳内が闇のチカラに支配されようとしている。ワタクシはさらに本を読み進める。

 

家から出るときは、いつもあごを引いてまっすぐに立て、できるだけ大きく呼吸をすること。日光を吸いこむのだ。友人には笑顔をもって接し、握手には心をこめる。誤解される心配などはせず、敵のことに心をわずらわさない。やりたいことをしっかりと心のなかで決める。そして、まっしぐらに目標に向かって突進する。大きなすばらしいことをやりとげたいと考え、それをたえず念頭におく。<中略>

 

人間は心がけたとおりになるものである。あごを引いて頭をまっすぐに立てよう。神となるための前段階ーそれが人間なのだ。

 

同100ページより引用

一字一句間違えることなく、経典のように本を暗唱したワタクシは若干落ち着きを取り戻した。忘れていたが、ワタクシは苦行の末にほとんど神に近い域に達しているのだ。

 

愛する息子氏の一生に一度の晴れの日に、危うく吐くところだった。嫌悪感に我を忘れてキレる前に、より大きな大義を思い出すことは、感情のコントロールに使えるテクニックなのだ。


さて、BBAを空気として扱い、写真館で集合写真を撮る。娘氏のお宮参りの時から舅氏が減って息子氏が増えたのでトントンだ。人生もたぶんトントン拍子でうまくいくだろう。

 

お宮参りでは、初穂料を1万円にするか1万5千円にするかでモメつつも、神前で頭を下げておいた。神様、BBAに罰をお与えください。

 

最後はみんなで仲良くご飯を食べてお宮参り終了。ちっぽけな怒りは将来、BBAの墓の前で笑い話に変わるだろう。家に帰って、嫁が舅氏にプレゼントした遺品のネクタイを外しながら、そんなことを想像してフフッと少し笑った。