嫁を動かす

HOW TO WIN WIFE AND INFLUENCE PEOPLE

BBAのタオルから異臭が発生した件

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アンニョイな師走。世間の喧騒とは無縁に生きているので、穏やかな日々が続いている。やることと言えばスーパーへ特売の野菜を仕入れに行くくらいだ。

 

今日も、電動仕様のBBA(姑)のママチャリを拝借し、汚れたサドルを拭こうと前カゴからタオルを取り出した時事件が起こった。

 

なんかニオう。


平和な我が家に降って湧いた異臭騒ぎ。ひったくり防止のシートで厳重にガードされている前カゴから、一瞬で身のキケンを感じるレベルの異臭が発生している。

 

恐る恐る確認すると、タオルからすし酢で〆て昆布と一緒に寝かして、そのまま30年放置したかのようなニオイが。

 

吐きそうになりながら、危険物と化したタオルをハイターに漬けて熱湯で処理する特殊清掃を実施した。ワタクシの本業は洗練された洗濯夫である。


しかし、BBAはこの異臭に気づかないのであろうか?経年劣化で本人も酸化しているかも知れない。そういえば、BBAの部屋から酸っぱいニオイが漏れてくるのだが、本人は気づいていない様子だ。

 

この家に越してきた時、キッチンの棚から賞味期限切れの食品が大量に出てくる事件もあった。ワタクシが徹底的に処分したらBBAがブチ切れて騒乱に発展した。

 

明らかに腐って異臭がしている乾物でも、老人は食べれると主張するのには何か理由があるのだろうか?老人は酸っぱいニオイに対して臭覚がマヒしているのではないだろうか?


あれやこれやと考えながら、いつものように尊敬するD・カーネギー先生の名著「人を動かす」を開いてみた。

 

たとえば、レストランで、給仕が注文をまちがえて持ってきたとき、「めんどうをかけてすみませんが、わたしはコーヒーよりも紅茶のほうがいいんです」とていねいにいえば、給仕はこころよく取りかえてくれる。相手に敬意を示したからだ。こういうていねいな思いやりのあることばづかいは、単調な日常生活の歯車にさす潤滑油の働きをし、同時に、育ちのよさを証明する。

 

「人を動かす」141ページより引用

なるほど。よくよく考えれば、賞味期限切れの食材をワタクシが当然のように処分したのもやり方がまずかった。

 

戦後の食糧難の時代を生き抜いたBBAにとっては、腐っていても命をつなぐ食材になりえたのだ。

 

育ちの良いワタクシには、賞味期限切れの食材はゴミだったのだが、ここは、「ババ様のお体に障るといけないので賞味期限の切れた食材は、選り分けておきました。」と言えば何も問題なかったのだ。

 

異臭のするタオルを干しながら、過去の反省を思い出し、 ワタクシはBBAに「タオルが汚れていたので洗っておきました。」とだけ伝え、育ちの良さを証明した。


日々の生活に追われ心に余裕を持てないでいると、何かと人の言動が気になって、注意をしたくなったりしてしまう。しかし、ほとんどの場合、相手にとっては大きなお世話だ。

 

相手も心に余裕がなくアップアップで生きているかもしれないし、主人をオオアリクイに殺されたばかりかも知れない。ならば、育ちの良い皆さまは、少し立ち止まって相手に敬意を払ってみてはいかがだろうか?

 

今年もあと10日ほどで終わろうとしている。師走の何かと賑やかな世間を眺めながら、穏やかに新年を迎えたいと思った。