嫁を動かす

HOW TO WIN WIFE AND INFLUENCE PEOPLE

静かにそれを息子氏に返してあげた件

アンニョイな今年の夏。我が家に息子氏が誕生した。

 

家で仕事をしているワタクシの仕事部屋には、大きなベビーベッドが置かれ、サボっていないか常に息子氏に監視されるようになった。

 

それだけならまだしも、10分に1回はうねうね言い出して、オムツの交換やらミルクの補給など、仕事が増えてしまった。おかげで集中してゲームもできなくなった。


やっと寝たと思ってパソコンに向かっていると、ふと視線が気になる。ベッドのある右の方に視線を向けると、ちょうどベビーベッドの隙間からニヤリと笑う息子氏と目が合う。

 

とりあえず、変顔をお見舞いして納得させると5分程度は静かにしてくれる。一瞬で切り替えてパソコンに向かい、ゲームをする。

 

1か月もそんな調子だったので、これは困ったとワタクシはあるモノを買って来た。


それを導入すると、とりあえず10分に1回うねうね泣き出すことはなくなった。ご機嫌で30分くらいは時間をくれる。

 

気まぐれでそのままコテッと寝てしまい、スヤスヤ1時間くらい寝てくれることもある。ワタクシはじっくりツイッターを眺める時間を取り戻した。

 

平和な時がずっと続くかと思いきや、最近になって手足の自由がきくようになり、せっかく導入したものを手で取るようになってしまった。


そして、またうねうね泣いて遊べと訴えてくるもんだから、しょうがなくヒザの上に乗せて、一緒にツイッターのネコ動画なんかを観て遊ぶ。

 

息子氏が納得したらまたベッドに寝かせて、それを使うと大人しくしてくれる。

 

そんな息子氏を眺めていると、ワタクシもそれを使ったら仕事に集中できるのではないか!と思いついた。


約40年ぶりにそれを使ってみたところ、確かに心が落ち着いた。

 

カーチャンに抱かれているようなそんな心地にさせてはくれる。が、しばらくすると背徳感が溢れてきて、人としてダメになる気がしてきた。

 

ワタクシは静かにそれを息子氏に返してあげた。


ワタクシもそろそろ人生の折り返し地点を迎えようとしている。昔は神童現ると期待された少年も、腹の出たどこにでもいるような中年になってしまった。

 

人生の荒波に揉まれて世間から見れば、残念な大人になってしまったのかも知れない。すでにできないことも多くなった。

 

だが、息子氏はこれからできることがドンドン増えていくのだろう。父としては羨ましくもあり、嬉しくもある。


そんなことを考えながら、ふとベッドの方を見ると息子氏と目が合った。すると満面の笑みになり、それを口からほろりと落としてしまった。

 

そんな息子氏をずっと側で見守っていてあげたい。それを手に取り、口に戻してやりながら願った。でも、ママのはワイのやで。

 

今週のお題「今年買ってよかったもの」

 

おしゃぶり。