嫁を動かす

HOW TO WIN WIFE AND INFLUENCE PEOPLE

家が線香とタバコでババくさい件

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昔、誰かは歌った。部屋に残ったコーヒーとタバコの香りに女は淡い予感を感じていると。

 

愛する嫁の口から香ってくるニンニクの香りは、ワタクシ、案外キライではないが、家のババ臭い香りには嫌悪感しか感じていない。


アンニョイな朝。BBA(姑)が、朝のお勤めで仏壇の前に座ると、線香の香りがプ~ンと仏間の隣のリビングに漂ってくる。

 

ご先祖様を供養することは大切だと思う。毎日、仏壇に手を合わせて身も心も清いキモチで生きることは、人としてあるべき姿だと思う。

 

が、ワタクシのように感謝のキモチを持ち合わせない人間にとっては、この香りが苦痛で仕方ない。せっかく淹れたコーヒーとパンの香りに混じって鼻が曲がりそうになる。


といっても、マスオで肩身の狭いワタクシは、BBAに「無煙のいい線香がありますよ♪」などと意見すらできない立場にある。

 

仕方ないので、毎日、線香の香りに恨みを乗せつつ、コッソリ窓を開けて青雲を仰ぎ、ニオイとノロイを屋外に放出してやり過ごしている。

 

幸せの青い雲を眺めていると、今度はBBAが詠唱するお経が流れてくる。これも慣れたもので一緒にリズムを取りながら、ふれあいの心を育んではいない。


朝のお勤めが終わると、BBAは決まって梅昆布茶を淹れる。今度はコーヒーに梅昆布茶の香りが混じって、混沌とした香りが漂う。

 

BBAはお茶をすすると、換気扇の下でタバコを吸う。ワタクシも喫煙者だが、キャスターかなにかしらないけど、甘ったるいタバコのニオイは心がもうウソをつけないくらいに嫌悪の感情が込み上げてくる。

 

そんな地獄の光景に、ワタクシはゆっくりコーヒーを飲む気も失せて本当のことを打ち明けたくなる前に、一刻も早くリビングから脱出するようにしている。


といっても、BBAも少しは遠慮しているらしい。ワタクシが来る前までは、テーブルに灰皿を置いて平気でプカプカ吸っていたのだ。もちろん、リビングは会社の喫煙ルームみたいなニオイだった。

 

初めて結婚の挨拶にこの家にやって来た時、不機嫌そうにタバコをふかすBBAと目と目が合って触れ合ったその時、やっちまった!と思ったものだが、後の祭りだった。

 

嫁はもちろん、このBBAとずっと近くにいたのでまったく不快な感情はないらしい。娘氏もまだ小さいので順応しているようだが、副流煙を吸わせないようにワタクシは気になって仕方がない。


そんな感じで、嫌煙家の人から見れば卒倒してしまいそうな状態となっている。ちなみに以前、BBAに「健康のために一緒に禁煙しましょう♪」と提案をしてみたが、絶対に禁煙しないと逆に宣言されてしまった。

 

さて、この問題をD・カーネギー先生ならどう解決するだろうか?名著「人を動かす」には、もちろん、その方法が書いてある。例えば、息子にタバコをやめさせようとした父の話がある。

わたしはタバコをやめさせようとしておどしたり、タバコの害を説いたりはしなかった。タバコの誘惑に負け、そのために多大の損をしたと自分の誤りを認めただけだった。

 

「人を動かす」285ページより引用

 

つまり、まず自分の誤りを認めなさいということである。ワタクシは間違えてこの家に移住してしまったことが誤りであり、自分の間違いを素直に認めたい。

 

タバコを吸っていることも反省している。子どもができてからは、禁煙に向けて本数も減ってきている。が、BBAにストレスを感じてたまに昔のようにスパスパ吸ってしまうことも正直ある。BBAのせいだとは言わない。自分の心の弱さを素直に認めて反省している。

 

根本的な問題として、ワタクシとBBAの関係はすでに破綻しているので、黙ったままで素早く唇を奪いたいというキモチは当然ない。ワタクシができることは、BBAへの嫌悪感をカムフラージュして自分の心を病まないことである。


嫁にも自分の誤りを認めて、この家に移住して1か月経たない内から引っ越しの提案をしている。が、聞き入れられることはなく、嫁は実家でのびのび暮らしている。

 

もはや、ワタクシはBBAを友達以下のキモチで、なるべく関わらずに洗練されたマスオとしての能力を研ぎ澄ませて生きる他ないようだ。

 

もしも世界が明日終わりを迎えても、BBAがいれば何も怖くはないが、ずっと近くで欺いてきたワタクシを許してくれるだろうか。


そんな平穏な日々が続くかと思った矢先、マスオが最もやってはイケナイ、BBAへのブチギレ事件が発生するのだが、その話はBBAと和解してから書こうと心に誓う今日この頃である。

 

 I've been looking foward to your moving...