プリキュアのプールバッグに穴が開いて嫁がキレた件
夏はアンニョイな夕暮れ。プールで遊んだ娘氏をママチャリに乗せて帰宅する。さっそく娘氏とアイスクリームをしゃぶっていると、嫁の発狂する声が聞こえてきた。
どうやら今年買ったばかりのプリキュアアラモードの最新プールバッグに大きな穴が開いているらしい。
キビしい尋問が始まり、近所のセミ達も鳴き止んだ。ワタクシも泣きそうになった。だが、中国製の安物のプールバッグなんて、すぐに破れる運命にあることは明らかだ。
娘氏を無実の罪から救うため、ワタクシは証言台に立った。
しかし、検察側の嫁とBBA(姑)は容赦なく娘氏に口撃を続ける。
徹底的に追い込む検察側に娘氏とワタクシは防戦一方になってしまった。しかしなぜ親を殺されたかのように、自分の子供を追い詰めようとするのか?
そもそも、子どもなんてバッグを振り回してぶん投げて踏みつけるもんだと思う。破れない方がおかしいくらいに思うのだが、嫁とBBAにはそんな考えは通用しないらしい。
叱りつけることで、丁寧に扱うようになったとしても、そのやり方だと子どもが抑圧されて歪んだ人格になってしまうだろう。現に嫁は使わないブランドバッグを山のようにクローゼットに押し込んでいる。もっと丁寧に扱うべきだと思う。
娘氏の将来を悲観したワタクシは、いつものように尊敬するD・カーネギー先生の名著「人を動かす」を手に取ることにした。
ささいなことにも、やっきになって文句をいう人がいる。なかにはそうとう悪質なのもいるが、そういう悪質な連中でも、しんぼう強くしかも身を入れて話を聞いてくれる人ーいくらいきり立ってコブラのように毒づいても、じっと終りまで耳をかたむけてくれる人に対しては、たいていおとなしくなるものである。
「人を動かす」121ページより引用
なるほど。口ウルサイ嫁をもらってしまったワタクシのような旦那さんは、嫁がキレ始めると話を聞かずに外出したり、そっとトイレや自室に籠るという方法を取る人が多いと思う。
ワタクシもたまにやってしまうが、それだとひたすら一人で嫁はキレ続け、しまいに冷蔵庫に正拳突きしたり家事を放棄したりして、さらに状況が悪化するのではないだろうか?少なくともワタクシの嫁はそうなる。
つまり、キレている嫁から逃げるというのは悪手なのである。この場合、先生が言うように嫁の話を最後までジッと聞いてあげるのが良いのだ。
ちなみに、アホ扱いして逆ギレするのはもっと悪い。問題外だ。実際にアホでも話を聞くのだ。それ以外の正解はない。
ワタクシは娘氏を避難させ、嫁が必死にママチャリを漕いでプリキュアのプールバッグを探しに行った話から聞いた。嫁が少し落ち着いて来たところで、バッグの穴をふさぐ修理をさせていただきたいと申し出た。
夫婦にできた溝もバッグに開いた穴も直し方は似たようなもんである。丁寧にやり方を勉強しながら埋めていけばなんとかなる。
大切なのは、自分の考えに固執せず真摯に人から学ぶことだと思う。ワタクシはこのやり方でかなり失敗が減った。
ワタクシは素材の特性を見抜き、半田ゴテでコンドームを溶かして圧着する方法を試してみた。が、ゴムが焦げてうまくいかない。装着するのは上手いのに。思い悩んでグルーガンで適当に引っ付けてみた。これが案外うまくいった。
余計な仕事をさせられたが、とりあえずの危機は去った。プールバッグの穴は1週間は持つだろう。その後のことはその時考えればいい。
一つ確かなことは、プールバッグの穴はワタクシが1週間前にママチャリの前カゴに無理やり突っ込んで開いたということ、ただ、それだけなのである。