嫁を動かす

HOW TO WIN WIFE AND INFLUENCE PEOPLE

デリっ娘を家に呼んだら、塩を撒かれてその痕跡で嫁にバレた件

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アンニョイな午後。晴れ。おっぱい揉みたい。タイトルは釣りです。

 

仕事もないのでD・カーネギー先生の名著「人を動かす」を開くことにした。ちなみにこのブログはこの本を実生活に生かすことを目的としている。

 

普段は、嫁との問題に対して本から学び取ったことを実践するのがお約束だが、実はこの本、家庭よりも仕事の問題に対して用いた方が効果がある。

 

今日もページをめくっていると「人を動かす」に書かれたことを実践していた営業マンのことを思い出した。今日は趣向を変えてその話を書いてみる。


ワタクシは勤め人時代、大きな会社の資材部で働いていた。取引先から工場で使うネジやボルト、鉄の棒から機械まで色んなモノを買うのが仕事である。

 

何百社もある取引先の営業マン達と接していたのだが、一人だけカンペキにD・カーネギー先生の教えを忠実に守っていた営業マンがいた。

 

どこにでもあるような小さな商社の営業マンの彼を、ナカジマ君(仮名)としよう。本当になんの変哲もない、五反田の小汚い雑居ビルにある小さな会社で、ワタクシが担当した時は、ちょっとした部品を少し買っているだけの、昔からなんとなく取引がある会社の一つに過ぎなかった。


初対面だと普通は名刺交換を済ませて、通り一辺倒な天気の話なんかをしてなんの興味もないカタログなんかを眺めながら、これからよろしく~なんて感じで終わるのだが、ナカジマ君は違った。

 

初めて会った時から彼は、「普段はナニをされているんですか?」と仕事の話ではなく、ワタクシ自身の話を聞いてきた。

 

ワタクシが「パチンコばっかりしてるよ~」なんて答えると、どの機種を打ってるのか?いい店はあるのか?とか嬉しそうに聞いてくる。ワタクシもパチンコが好きだったので、「あの機種は最近アツイね~」なんて話をしてしまう。結局、仕事の話は一切せずに馬鹿話だけして終わった記憶がある。

 

ここでD・カーネギー先生の名著「人を動かす」を開いてみる。

 

「人と話をするときは、その人自身のことを話題にせよ。そうすれば、相手は何時間でもこちらの話を聞いてくれる」

 

「人を動かす」154ページより引用

ナカジマ君が意識して実践していたかどうかはわからないが、たぶん、素で人なつっこい性格だからできていたのだろう。

 

これがなぜいいのか?答えはカンタンで、普通の営業マンは、なんとか自分の営業成績を上げようと、必死に自分のために会社のカタログなんかを見せて営業してくる。人は売り込まれるのは大嫌いだ。欲しい物があれば自分で買うからほっといてくれと思っている。

 

個人でも法人の営業でも基本はまったく同じで、物を売り込んでくる相手から絶対買いたくない。ナカジマ君は、自分からカタログなんかを見せることはなかった。そもそもカバンの中にカタログが入ってなかったと思われる。


そんな感じでナカジマ君との付き合いは始まったのだが、彼は基本的に仕事は適当だった。見積書の数字をよく間違えるし、納期は遅れるし、どこをほつき歩いているのか電話しても捕まらない。

 

ある日、急ぎで見積書をほしいと電話したのだが出先で対応できないからと、会社の見積書のエクセルファイルをそのままメールに添付して送ってきて、「好きな数字書いといて!」と言い放ったのは後にも先にも彼だけだった。

 

そんなことができるのも、初対面から一緒にパチンコに行く約束を取り付け、すでにパチンコに行って一緒に仲良く負けて帰ってきたからだったのだろうけど。

 

ただ、ナカジマ君はワタクシに好かれたことで、普通は一日でも納期が遅れると大問題になりかねないところを「ゴメーン!」で済ませられるという状態を作っていたのだ。

 

自分が犯した誤りを認める勇気には、ある種の満足感がともなう。罪悪感や自己防衛の緊張がほぐれるだけでなく、その誤りから生じた問題の解決にも役に立つ。

 

「人を動かす」189ページより引用

カーネギー先生はバカは大抵、失敗の言い逃れをすると説いている。ナカジマ君はバカなふりをしていたが、バカではなかったということになる。

 

ここまでだと彼はただの面白い営業マンなのだが、彼は営業成績も抜群だった。それは、ワタクシとしっかり関係を築いてからの独自の営業方法にあった。


ある時、ナカジマ君が工場で仕入れているある部品を持ってきて、「コレ、ウチに注文ちょんまげ!」とお願いしてきたことがあった。

 

ずっと他社に注文していて相見積も取っていない物だったので、彼が知り得ない情報をどこで知ったのか気になったのだが、他社よりも価格を下げるからとキレイに注文をかっさらって行った。

 

数年後に偶然知ることになったそのカラクリはこうだ。


ある日、工場の納品場を通りかかるとナカジマ君がいた。工場の中なので、納品が済んだらうろちょろできる場所ではない。さらに、偏屈で有名な受付窓口のオジサンがいて、荷姿が悪いと怒られるので納入業者はそそくさと退散する場所である。

 

が、彼はこの偏屈なオジサンと同郷で、地元の有名な祭好きという接点から息子のように仲良くなっており、納品場をいくらうろついても怒られないという特権を手に入れていた。

 

人の心をとらえる近道は、相手がもっとも深い関心を持っている問題を話題にすることだ。

 

「人を動かす」130ページより引用

そして、彼は納品場で他社が納品した物を毎度毎度、せっせと確認して自社でも扱える発注数の多いおいしそうな物を発見していたのである。

 

このカラクリを知ったときはお見事!と思ったが、そもそもナカジマ君の人の懐に飛び込んで仲良くなる能力がなければの話で、なるほどなぁと感心した。

 

実はナカジマ君、社内でも色々なところで友達を作っていて若いエンジニアとか、工場の売店のオバチャンなんかともなぜか異常に親しくなっていた。どうやって取り入ったのかはわからない部分も多かった。


その他にもナカジマ君は後々、よく考えたら上手く営業していたと感心する作戦を実行していた。

 

たまに仕事がない時でも電話してきて、「今日、そちらにお顔を拝見に行きたいんですけど、手ぶらじゃ上司に怒られるんで見積もりでも持っていきます。なんかありますか?」などと聞いてきた。

 

そうお願いされると、こっちも何の気なしに、手元に適当にあるナカジマ君以外のところに引き合いに出そうと思っていた物を見繕って、「ほいじゃこれでも見積もりしてきて~当て馬にでもするわ~」と返す。


実際に受注しないことも多かったが、とにかく仕事でなくおしゃべりだけでもしに自分に会いに来てくれると嬉しくなってしまうもんで、来たついでにこれもやっといてと、なってしまう。

 

会社に来ると、なぜか親しくなっている他の友達のところにも顔を出して、仕事につながる情報を仕入れる。

 

そんな形で、ナカジマ君はワタクシが担当している3年ぐらいの間に、受注額を何十倍にも増やして、会社で社長賞をゲットするまでになっていた。


ナカジマ君とは3年が過ぎる頃には普通の友達になっていて、ある日ワタクシが家に帰ると、当時、同棲していたワタクシの彼女と部屋で談笑しながら待っているという状態にまでなっていた。なぜ紹介したことのなかったワタクシの元彼女と仲良くなっていたのか未だ不明である。

 

ちなみにコレはワタクシが会社を辞めてから教えてもらったのだが、ナカジマ君はワタクシの会社との取引が億単位になったので、使える交際費が増えて、それを新規のお客さんとの接待に使いまくってさらに営業成績を上げていたらしい。

 

もちろん、名目は取引額の大きいワタクシの接待名目なので会社的にも何の問題もなく通っていたと。


ワタクシが接待漬けになってナカジマ君に利益を流していただけじゃないかと思われた方もいるかも知れないが、それはほとんどない。たまに安い焼き鳥屋でビール飲んで領収書を切るくらいだ。

 

そもそも、大企業の社員なので取引先と癒着を疑われるようなことを上司の許可なくすると、自らの身にキケンが及ぶので接待は受けない。扱う金額も億単位なので、それはワタクシも気をつけていた。

 

現に、下心のある普通の営業マンはピンク接待にでも誘って、弱みを握りつつ受注を増やそうとするのだが、そういうのには慣れっこで全部断っていた。


ところが、プライベートで普通に遊びたいと思うくらいにワタクシはナカジマ君に懐に入られていたということになる。

 

実際にナカジマ君は下心のない人物だったので、ワタクシも信用できたのだが、これはカーネギー先生の教えを正しく守った結果だった。

 

他人に示す関心は、人間関係のほかの原則と同様に、かならず心のそこからのものでなければならない。関心を示す人の利益になるだけでなく、関心を示された相手にも利益を生まなければならない。

 

「人を動かす」88ページより引用

そもそも、人は好きな人と仕事がしたいもんである。特に会社の損にもならないなら好きな営業マンに発注するのは当然の話だ。その方が仕事もスムーズになる。

 

最後の方になると、零細企業のナカジマ君の受注が増えすぎて金額の大きい難しい案件も扱うようになり「もう仕事要らないです。もっとショボイやつください。」と受注を辞退するようにまでなっていた。


ナカジマ君は元々、高卒で自動車のディーラーに就職するも、その付き合いの良さがアダとなり、数年後に酒気帯び運転で捕まり免停になって会社をクビになるという優秀なのかアホなのかわからない人物だった。

 

実際、一緒に出張に行って帰りに繁華街のあやしい店に二人で突撃して、襟足を濡らしたまま慌てて終電間際の新幹線に飛び乗ったりして遊んでいた。たぶん、アホなんだと思う。

 

人間はだれでも、友よりすぐれている場合には重要感を持ち、その逆の場合には、劣等感を持って羨望や嫉妬を起こす

 

「人を動かす」218ページより引用

ただ、知ってか知らずかD・カーネギー先生の名著「人を動かす」に書かれたことを実践し、後に彼の会社で「五反田の奇跡」と言い伝えられる受注増を達成した。すべては、ワタクシと会社帰りにパチンコに行こうと誘ったのが始まりである。


ナカジマ君がしていたようなことを、ズル賢い人がマネして悪用するのは不可能だ。普通に本を読んだ人でもほとんど実践できない。

 

「人間は、どんなことばを用いても、本心をいつわることはできない」

 

「人を動かす」47ページより引用

結局のところ、天性の人なつっこい性格の人か、絶望の淵に自分を心から変えたいと誓ったような人でないと無理だ。ワタクシも根本的な性格が曲がっているので、こんなブログを綴りながら実践できないでいる。

 

ただ、悪戦苦闘しながらでも少しずつ実践すれば、ワタクシと嫁の関係のように若干の修復も可能なのでやるしかないのだけど。


ワタクシのように、会社をやめてド底辺になると周囲から人が離れていく。社会人になると、誰しも利害関係を意識しながら人付き合いをするので当然の話だ。

 

だが、「人を動かす」に書かれたことを実践できるような人がどうなるかは想像に難くないだろう。

 

ナカジマ君はそのままトントン拍子に出世して40代になった今、会社の重役になってしまった。この前電話がかかってきて、デリヘル嬢を家に呼んだら、潮を吹かれてその痕跡で嫁にバレた!デリっ娘を家に呼んだら、塩を撒かれてその痕跡で嫁にバレた!とか言ってるワタクシの友人である。