嫁を動かす

HOW TO WIN WIFE AND INFLUENCE PEOPLE

ソーセージが半分だった件

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アンニョイな朝。洗練されたプロのマスオであるワタクシは、目を合わすと寝覚めが悪くなるので、BBA(姑)と目を合わせないようにしている。

 

そんなワタクシをよそに、相変わらずBBAは今日のパンが固いだの政治家が不倫しているだの、ヘイトスピーチにいそしんでいる。誰も聞いちゃいない。

 

といっても、ワタクシも慣れて来たのでBBAの放つ邪気に侵されないように無視する能力に磨きがかかってきた。長生きしてくれれば良いと心から思っている。


さて、今日も朝食を済ませ娘氏を幼稚園に送り帰宅すると、朝から引き続きBBAがなんだかキレていた。聞く気もないので、自室に籠って仕事をしていると家のチャイムが鳴る。

 

嫁が出たので誰が来たのか尋ねると、近所のスーパーの店長だと言う。ん?なんの用事だったのかと聞くとソーセージを持ってきたとの由。

 

なんでそんなことあるとバイエルン?


ということで、時間を朝に巻き戻す。嫁の話によると、BBAがいつものように自分用に自分が買って来て自分だけ食べている高級ソーセージを焼こうとしていたと。

 

すると、袋の中からいつものサイズとは半分くらいの長さのが出てきたらしい。それを見つけたBBAは鬼の首を取ったかのように、不良品だと騒ぎ始めた。

 

  • 「今までこんなことはなかった!」
  • 「何か変なモノが入ってるかも知れない!」
  • 「キモチ悪い!」

 

どうしたらそんな被害妄想に囚われることができるのか、まったくナゾなんだが、とにかく騒ぎたかったのだろう。

 

ソーセージなんて製造中に詰めるモノが切れたら、そら半分の長さになるのが出るのは当たり前だし、味も品質も問題ないだろう。


で、そのまま食えばそれで終わる話が、BBAは何を思ったか遠くなった耳を物ともせずに、ソーセージを買ったスーパーに電話をしたと。相手の話がよく聞き取れないので、ひたすら自分の主張を続けるキレた老人である。恐ろしい。

 

そしたら、BBAの剣幕に押された店長が大クレームになるのを恐れて、わざわざ新しいソーセージ1袋とお詫びのもう1袋を持って家にやって来たらしい。せめて、家には来てくれるなと断ってあげればいいのとちゃうエッセン?

 

ワタクシは、店長への激しい同情で申し訳ないキモチになると同時に、BBAを叱りつけたいキモチで一杯になった。このままBBAを放置すれば、また人様に迷惑を掛けてしまうかも知れない。


思い悩んだワタクシは尊敬するD・カーネギー先生の名著「人を動かす」を開くことにした。

 

相手のまちがいを、なんのために指摘するのだー相手の同意を得るために?とんでもない!相手は、自分の知能、判断、誇り、自尊心に平手打ちをくらわされているのだ。当然、打ち返してくる。考えを変えようなどと思うわけがない。どれだけプラトンやカントの論理を説いて聞かせても相手の意見は変えられないー傷つけられたのは、論理ではなく、感情なのだから。

 

「人を動かす」167ページより引用

なるほど。BBAを叱りつけたところで、自分はすべて正しく、自分以外はすべて間違っていると考えているBBAには無意味なことだろう。というか、ワタクシも含めてみんな自分が正しいと思っているんだよと。

 

だからカーネギー先生は人を説得する十二原則の一つに「誤りを指摘しない」と明確に書いている。例え相手が確実に間違っていても。

 

ネットを眺めていても、わざわざ他人の間違いを親切心から懇切丁寧に指摘している人がいるが、無意味なのだ。それどころか、間違いを指摘された相手は、一生、高知の山奥から反撃するチャンスをうかがっている。


では、どうすればいいのか?やり方は12原則あるので、あと、11個の手順を踏まなければならない。今日紹介したのは手順の一つである、人を説得したければ誤りを指摘せずに相手に気付かれないようにやれという話なのだ。

 

残りの11個については、ワタクシがこのブログの中で懇切丁寧に解説しているので、反撃されたくない方はどうぞ読んで行ってください。

 

ぢゃあ、お前がまずBBAを説得しろよ!とツッコまれた皆さま。正直なところ、状況はキビシイとしか言いようがない。ちょっと生理的にムリの薫りな部分もある。

 

なんとか高度な自己啓発で、現状を悪化させないことで精一杯なのだ。希望としては、BBAが一人で引っ越してくれれば、まさに「姑を動かす」で嬉しいのだが、年金暮らしの老人なのでそんなワケにもいかず。

 

どの道、BBAはあと10年もするとポークリビッツ...となる。軋轢を残したままだと優しいワタクシは自分がツラくなるので、自分のために頑張る。


あらく挽いた肉を詰めたソーセージが美味くなるように、軋轢も上手くあらびきにすれば、ソーセージだけにウイナーということか。

 

そんなこんなで、失敬したBBAの高級ソーセージをツマミにしてビールを飲みながら、決意を新たにしたのであった。