嫁を動かす

HOW TO WIN WIFE AND INFLUENCE PEOPLE

ヘソで二番煎じの茶を沸かした件

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アンニョイな夕飯時。最近ストレスによる謎の胃痛に苦しんでいるため、食欲がない。体力を落とさないように、ご飯をお茶漬けにして無理やり胃の中に流し込むことが多くなっている。

 

そんなワタクシの胃をさらに縮み上がらせようと、嫁&BBA(姑)の最強タッグが今夜も嫌がらせを画策している。

 

ワタクシが急須にお茶っ葉を入れて、お湯を注ごうとしているそばから、モッタイナイからこっちのBBAの急須を使えと指示してくるのだ。


その急須についてはよく知っている。朝から食卓の上に置かれ一日中そこに鎮座しBBA専用器となっているモノである。BBAは毎朝、その急須で緑茶を淹れる。一番煎じのお茶は仏壇の仏さん用の白い湯飲みと、BBAの湯飲みに注がれる。BBAはそこに梅干しを一つ落として、梅茶にして飲む。

 

茶葉が入ったままの急須と梅干しの入ったままの湯飲みは、そのまま食卓に一日中置かれる。そして、夕飯の後にBBAが急須に二番煎じのお茶を煎れて、一日寝かされた梅干し入りの湯飲みに注がれる。

 

BBAはお箸で梅干しをほぐし濃厚な梅肉と出がらしのお茶をすすって、胃の健康を保つことを日課としている。効くかどうかは知らないが、キモチ悪い。かといって、BBAの長年の習慣に文句を言っても仕方ないので基本無視している。


ただ一つだけ確かなことは、ワタクシがわざわざ一日蒸らされた二番煎じのお茶を飲む習慣がないことである。そこまで落ちぶれていないし、大して高くもない出がらしのお茶を飲む意味がわからない。

 

ナニを好き好んで緑茶なのに、二番煎じで茶色になってしまっているようなお茶を飲まなきゃイケナイのか?淹れたてがおいしいに決まっているじゃないか?おかわりですぐにお湯を継ぎ足して二番煎じのお茶を飲むくらいなら、まだ抵抗はない。

 

が、BBA専用機に入ってるのは朝淹れたやつだ。それをわざわざ夕飯のお茶漬けに使って、弱っている胃に流し込んだら余計に弱るわ!


なぜ嫁とBBAは一家の大黒柱であるワタクシに、二番煎じのマズイお茶を飲ませようとしているのか?まったくわからない。ケンカを売っているとしか思えない。

 

が、二人はそれがさも当然かのようにしつこく今まで何度も言ってきている。ワタクシは若干キレそうになりながらも、ひたすら耐えて自分でお茶を淹れて飲んでいる。

 

そもそも、ワタクシは二番煎じという言葉自体を忌み嫌っている。この洗練されたブログを見てほしい。誰のマネでもない香り立つ一番煎じのような濃緑のデザインを!


今夜もイジメに遭ったワタクシは、怒りでアツアツのお茶を沸かしてブチまける前に、尊敬するD・カーネギー先生の名著「人を動かす」を手に取った。

 

われわれの人となりには、自分が手をくだしてつくった部分は、ほんのわずかしかない。したがって、われわれの接する相手が、どんなにいら立っていたり、偏屈だったり、わからずやだったとしても、その責めを本人に帰すわけにはいかない。気の毒だと思ってやるべきた。同情してやることだ。そしてこう考えるのだ。

 

「もし神さまのお恵みがなかったら、この相手が、わたし自身の姿なのだ」

 

「人を動かす」237ページより引用

なるほど。以前から嫁とBBAの偏屈さには困り果てて来たが、やはり先生の教え通り、相手の立場に立って考える姿勢を取らなくてはならないようだ。

 

そしてワタクシ、実はすでにこの問題への解決の糸口を掴んでいる。


というのも、BBA専用のコーヒーメーカーから、激しいハイター臭がするという事象が発生しているのだ。それは、嫁の実家であるこの家に来て初めて、BBAの使っているコーヒーメーカーでコーヒーを落として飲もうとした時だった。口に近づけた瞬間、異常なハイター臭に襲われたワタクシは、吐きそうになった。

 

以来、一度もそのコーヒーメーカーでワタクシはコーヒーを飲んでいないのだが、BBAはいい香り♪と言って普通にハイター臭いコーヒーを毎日飲んでいる。

 

たぶん、BBAは説明書も何も読まずにコーヒーメーカーの給水口にハイターを流し込んで機械の中を洗ったつもりでいたのだろうが、その際にハイター臭がコーヒーメーカーにこびり付いてしまったのだ。


常人であれば吐きそうになるニオイのコーヒーを、おいしいと言って飲んでいるBBAは嗅覚がマヒしているのだ。ちなみに、お茶ではBBAに味方する嫁でさえ、そのコーヒーメーカーで淹れたコーヒーは飲まない。

 

「臭うよね?」と質問したワタクシに、「う~ん?」と嫁はお茶を濁していたがやはり臭うのだろう。

 

つまり、BBAはお茶やコーヒーは香りを楽しむモノという感覚ではなく、喉ごしを楽しむモノとして認識して、半世紀以上を生きてきたのだ。その感覚からして、二番煎じのお茶は十分においしいものだったのだろう。


だから、ワタクシがBBAに対してできることは「あなたの嗅覚は異常ですよ♪」と伝えることではなく、香りを楽しめないかわいそうな人として、優しく扱ってあげることなのだ。

 

そんなこんなで、ワタクシはBBAには憐みの心で接して、二番煎じのお茶を勧められても、茶に酔ったフリをして遠慮することにする。これがホントのお茶の子さいさいということでお後がよろしいようで。

 

えっ?誰ですかヘソ茶だと茶々を入れたのは?