クリスマスの笑顔をもらった件
昔、デンマークのコペンハーゲンを旅したことがある。
格安航空券を手に入れてヨーロッパを周っていた時に、トランジットで一晩コペンハーゲンに泊まることができたので、せっかくだしということで少し街中をぶらぶらしただけだったけど。
ちょうど季節は今の時期、クリスマスホリデーで町中がクリスマス一色に染まっていた。
市内や世界三大がっかり観光名所と言われる人魚姫の像やらを観光したのだけど、まったく記憶がない。とてつもなくツマらなかったのだと思う。
貧乏旅行だったので泊まったのは、市内の外れの方にある普通のアパートを無理やりB&Bに改造したような安宿だった。
当然、ゴハンも出ないので宿に荷物を置いて、近くのレストランで晩飯を食べようかと外を散策していると、小さな町の広場みたいなところに行き着いた。そこでちょうどクリスマスマーケットが開かれていたので、何の気なく立ち寄ってみることにした。
日本ではなじみがないが、小さな露店が出たり木製のメリーゴウラウンドみたいなのが作られたりして、地元のファミリーが遊びに来るようなところだ。ちょうど、夏の盆踊り会場みたいなイメージであっていると思う。
露店でホットドックを買って、ベンチに座ってパクついているとチビっ子達が笑顔で
”メリークリスマス!”
と言って走り去っていく。
走っていく先は、チョコレートの甘いお菓子を売っている露店で、パパとママにアレ買って~とおねだりしたり、ズッコケて泣いたりおなじみの光景を見ることができる。
そんな光景を微笑ましく眺めて宿に帰ろうかと、出口に向かって歩いていき、ふと気になったので後ろを振り返ったときに、今でも忘れられない瞬間を目撃することになる。
振り返ると、イルミネーションのあたたかい光が人達の白い息や熱気でボワァ~とにじんで、そこにいる人みんなが優しい光に包まれているように見えた。
そして、みんながみんな幸せそうにしているもんだから、それが幸せオーラのように見えて、なんとも言えない幸福感に広場が包まれているようだった。幸せは目に見えるモノだったのか!と、なんだかとても納得して、自分もとても幸せな気持ちになったのをよく覚えている。
尊敬するD・カーネギー先生の名著「人を動かす」にも、こんなことが書かれている。
クリスマスの笑顔
元手がいらない。しかも、利益は莫大。
与えても減らず、与えられたものは豊かになる。
一瞬のあいだ見せれば、その記憶は永久につづく。
「人を動かす」102ページより引用
先生の理論からすると、ワタクシはたぶんチビッ子達に笑顔をもらって幸せな気分になったのだろう。そして10年以上前の記憶は、今でも目を閉じれば鮮明に思い出すことができ、しかもあたたかい気持ちになれる。
さて、なんでこんな話をしたかというと、アンニョイな本日。娘氏の幼稚園でお遊戯会的なイベントがあって、朝から家族総出で参戦してきたのだ。
娘氏も年長さんになったので、今年で最後の出番となる。少し緊張した面持ちで舞台に上がる我が子を、カメラを構えながらしっかり目に焼き付ける。照明でライトアップされた舞台を眺めていると、いつか見たのと同じようなオーラに娘氏が包まれているような気がした。
実際は、誰かが目から汗をかいてしまったので、光がにじんで同じように見えただけなのだろうけど、ワタクシはとても幸せな気分に浸ることができた。そして、会場もあたたかい空気に包まれている、そんな気がした。
いつも子供達に幸せをもらってばかりな気がするので、今夜は娘氏の喜ぶ手巻き寿司をメンドクサイという気持ちに負けず作ってあげた。
明日はどこに遊びに連れて行ってあげようか?そんなことを考えながらブログを書いている今も、ワタクシは幸せな気分に浸っている。
久しぶりにブログを書いてナニいいこと書いてんだ?とかワタクシに突っ込もうとしているそこのあなたも、クリスマスの笑顔をもらいに家族でどこかに出かけてみてはいかがでしょうか?